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資産運用Tips
証券税制

株式投資 (3)複数口座間の譲渡損益通算

  • 特定口座や一般口座、他社での取引口座との損益を通算するには、確定申告が必要です。
  • 譲渡損益の通算の際に、源泉徴収ありの特定口座の分を含めるかどうかは、投資家が選択することができます。

特定口座間の損益通算

ある証券会社の特定口座で取り引きした譲渡損益などは、他社の特定口座で取り引きした譲渡損益などとは区分して計算されます。そのため、例えばA証券の特定口座(源泉徴収ありの特定口座)が利益となっていて、B証券の特定口座(源泉徴収なしの特定口座)が損失となっているような場合、譲渡損益の通算は自動的には行われません。このような場合に譲渡損益を通算するためには、確定申告が必要になります。

【特定口座間の損益通算のイメージ】
※すべて国内上場株式の取り引きにおける譲渡損益とします。
説明画像

確定申告をする場合には、それぞれの証券会社などから交付された「特定口座年間取引報告書」に記載された金額をもとに損益を通算し、確定申告をします。また、確定申告をする際には、各証券会社などから交付された「特定口座年間取引報告書」と、損益通算した結果である合計表(計算明細書)を添付する必要があります。
なお、源泉徴収ありの特定口座における譲渡損益を通算するために確定申告をした場合、当該所得は合計所得金額に算入されることになります(確定申告をしない場合は合計所得金額に含まれません)。控除対象配偶者の株式などの譲渡所得が38万円を超えていた場合、納税者は配偶者控除などの適用を受けることができなくなり、所得税などの負担が増えることがあります。また、国民健康保険加入者については保険料に影響してしまうことなどもあります。

特定口座と一般口座の譲渡損益の通算

一般口座において取り引きしたものは、他の一般口座で取り引きしたものと合算して自ら譲渡損益の計算を行い、確定申告により納税することになります。
特定口座と一般口座の両方の口座を開設している場合、その口座が同じ証券会社に開設されているものであっても、他社に開設されているものであっても、譲渡損益の通算は自動的には行われません。
そのため、特定口座と一般口座間の譲渡損益の通算を行うには、確定申告をする必要があります。なお、この場合の株式などにかかる譲渡所得等の金額は、「特定口座年間取引報告書」に記載された年間譲渡損益の金額と自ら計算した一般口座の譲渡損益の金額を通算した額となります。
また、源泉徴収ありの特定口座と一般口座の両方を開設している場合、双方の口座の譲渡損益を通算せずに、一般口座の譲渡損益の金額についてのみ確定申告をすることもできます。

【特定口座と一般口座を保有している場合の譲渡所得の計算例】
証券会社名 口座の種類 年間の損益額 源泉徴収額
A証券会社 源泉徴収ありの特定口座 70万円 7万円
B証券会社 源泉徴収なしの特定口座 ▲30万円 なし
C証券会社 源泉徴収ありの特定口座 ▲60万円 なし
D証券会社 一般口座 80万円 なし
  • ※すべて国内上場株式の譲渡損益の金額とします。

D証券の一般口座の譲渡益は、確定申告により納税しなければなりません(B証券の源泉徴収なしの特定口座に関しては、譲渡損が生じていますので確定申告の義務はありません)。また、A証券およびC証券の源泉徴収あり口座の譲渡損益は、確定申告不要の特例の適用を受け、確定申告をしないで課税関係を終了することもできます。
ここで、確定申告義務のあるD証券の一般口座の譲渡益のみを確定申告した場合とすべての取り引きの損益を通算して確定申告をした場合の納税額を計算してみましょう。なお、所得控除等は考慮しないものとします。

  • D証券の取り引きのみ確定申告した場合の納税額
    80万円×10%(※)=8万円
  • ※税率は、2011年12月31日までの取り引きの場合

また、A証券の取り引きについては、7万円が源泉徴収されていますので、合計納税額は15万円となります。

  • すべての取り引きについて損益通算をし、確定申告をした場合の納税額
    譲渡所得等の金額=70万円+▲30万円+▲60万円+80万円=60万円
    譲渡所得等に対する税額=60万円×10%(※)=6万円
  • ※税率は、2011年12月31日までの取り引きの場合

A証券の取り引きに対し、7万円が源泉徴収されているため、確定申告をすることにより、差額の1万円が還付されます(所得税と住民税は別々に還付されます)。

上場株式等の譲渡損失と配当所得の損益通算

2009年1月1日から、源泉徴収ありの特定口座における譲渡が損失となった場合、申告分離課税を選択した上場株式などの配当所得とその損失を、確定申告により損益通算することができるようになります。住民税については2010年度分から適用されます。

 

  • 本資料は、2009年4月1日現在施行されている法令に基づき作成しておりますが、今後の税制改正等により制度が変わることがあります。
  • 本資料は、個人投資家が金融商品取引(証券取引)を行う際の税制についてご案内しています。お取り引きの方法等によっては、本資料と取り扱いが異なることがあります。詳しくは、税理士や税務署等にご相談ください。
  • 金融商品のお取り引きや確定申告の結果、税制や社会保障制度における取り扱いに影響が生じ、税負担や社会保障負担が増加する場合があります。詳しくは、各市区町村等にお問い合わせください。
  • 本資料は、証券税制に関する一般的な事項についてご案内しています。お客さまの個別の状況に応じてお取り扱いが異なることがあります。お客さまの具体的なお取り扱いについては、税理士や最寄りの税務署等にご相談ください。
  • 本資料に記載された商品などへのご投資には税金以外に、商品ごとに所定の手数料や諸経費などをご負担いただく場合があります。また、各商品には価格変動などによる損失が生じるおそれがあります。

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