MONEYKitトップ > from MONEYKit > 投信レポート > インド・レポート「インド経済と株式市場展望」
株式会社インド・ビジネス・センター 須貝信一氏
BRICs諸国の中でも特に成長力の強い国であるインド。今後の経済発展の持続性に注目は集まっていますが、インドの情報を入手する機会はまだ限られているのが現状です。そこで、ソニーバンクはインド情勢に精通した株式会社インド・ビジネス・センターより配信を受け、ソニーバンクのお客さまにインド情報をご提供いたします。
インド経済・株式市場、個別企業の動向についてレポートしていますので、既にインド株に投資するファンドを保有されているかた、また購入をご検討中のかたなど是非ご一読ください。
(このレポートは、2007年10月8日に作成されたものです。)
市場動向
インドの代表的な30銘柄で構成されるSENSEX指数は、心理的節目である16,000、17,000ポイントを1ヶ月間で一気に抜けるなど、サブプライムローン(信用力の低い層を対象とした住宅ローン)問題で世界的に金融市場が荒れていたにも関わらず、8月以降に目覚しい上昇を見せました。インド株式市場の海外機関投資家動向は、7月に2,387.24億ルピーと大幅に買い越した後、8月はサブプライム問題による信用収縮懸念で売り越しましたが、9月には再び1,613.26億ルピーの大幅買越しとなり、インド株式市場への記録的な資金流入が続いています。
この資金流入増大の背景には、各国の金融緩和政策によって国際金融市場で資金流動性が回復した事も要因にありますが、インド国内の経済ファンダメンタルズの好調さによるところが大きいといえます。
インド準備銀行による断続的な利上げ、現金・預金準備率の引き上げ等、金融引き締め策の実施により、鉱工業生産指数の前年同月比伸び率は、4月の11.3%から7.1%へ低下するなど、成長ペースの鈍化も見られますが、インフレ率(卸売物価指数)は、1月27日までの週(*)の6.69%から9月15日までの週の3.23%と、大幅に低下しており、良好な経済環境であるといえます。
(*)インドでは週次で卸売物価上昇率を算出し、2週間後に発表している。
- 鉱工業生産指数推移
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2006年 2007年 前年同月比 4月 225.2 250.7 11.32% 5月 237.9 263.9 10.93% 6月 234.4 255.6 9.04% 7月 235.5 235.5 7.09%
2007年4-6月期GDP(国内総生産)実質成長率は前年同期比9.3%の伸びとなり、第11次5ヶ年計画のGDP目標成長率である9%を上回っており、改めて高い経済成長の継続が確認されました。前述の引き締め政策の影響から7-9月期、10-12月期においてGDPは成長ペースが鈍化すると予想されていますが、逆に市場はインド経済は順調にソフトランディングに向かっていると見ており、これが現在の上昇相場を形成しているといえます。
米国との関係
米国サブプライムローン問題の影響とインド経済の関係について述べると、インドは、米国への輸出依存度が他の途上国と比較して相対的に低く、米国経済との関連性は必ずしも高くはありません。GDP成長の寄与においても民間主体のインフラ投資などが、経済の牽引役になっており、今後も米国経済の減速が国内に影響を及ぼすとは考えにくく、内需主導で経済成長は続くと考えられます。
良好なマクロ経済環境
ここ数年で見ても今のインド経済のファンダメンタルズは良好な場面に来ています。2007年度4-8月期の税収は法人税収が大幅に伸びた事から、今年度の対GDP比財政赤字はその目標値である3.3%以下に改善するとの見通しを財務省は発表しています。また、資本収支も良好に維持されています。2006年度は直接投資額(212億ドル)が証券投資額(約156億ドル)を上回っており、資本流入構造の安定性は取れています。2006年度対外債務は前年比で22.6%増加していますが、債務内訳は長期債務が9割以上となっている事から、対外債務について問題性は低いと思われます。また、外貨準備高は2,000億ドルを超えており、急激な対外経済の環境変化に耐えうる基盤はさらに強固なものとなっています。
これらマクロ経済の良好な環境の中でも前述の「低いインフレ率」と「経済成長」のバランスが現在の強気相場の背景にあります。10月4日現在、SENSEX指数のPER(株価収益率)は24.13倍、PBR(株価純資産倍率)は5.74倍ですが、その指数で算出したROE(株主資本利益率)は23.78%と金融引き締め局面にも関わらず、過去の値と比較しても非常に高い収益性を維持しています。目先、すぐに利下げが行われるかどうかについてはなお議論の余地がありますが、より一層の引き締め政策が続く事は考えにくい状況です。今後は、利下げ期待を大きな材料として株式市場にも継続的に資金が流入しやすいと考えられます。
また今後、リライアンス・パワー(電力大手リライアンス・エナジーの発電事業を担う子会社)など大型IPOが予定されており、これら相次ぐ上場企業の登場は市場の話題になり投資意欲を刺激していく事でしょう。
- ※PCAインド株式オープンの主要投資対象となる外国投資法人のベンチマークはS&P CNX50インデックス(インドを代表する24の業種にわたる50の株式のパフォーマンスを表す指数)です。
【銘柄紹介】
リライアンス・インダストリーズ
今回ご紹介するリライアンス・インダストリーズは「PCAインド株式オープン」の組み入れ銘柄第1位(2007年10月5日現在)の企業です。
石油化学最大手。リライアンス財閥の中核企業。国内最大の民間企業でフォーチュン・グローバル500にも選ばれています。世界最大のポリエステル繊維メーカーとして、また石油化学製品の世界的レベルの企業として知られ、2007年10月現在、SENSEX指数の算出ベースのうち15%を占める大型株です。
同社は石油化学関連で後方垂直統合の戦略を展開、ポリエステル、繊維中間体、プラスチック、石油化学製品の製造や、石油精製、石油/ガス探査と生産を含めて一貫生産の実現を目指しています。
業界最大手であると同時に財閥の旗艦企業であるため、多様な子会社を持っており、リライアンス・インダストリーズから2006年にスピンオフ上場させた石油精製部門リライアンス・ペトロリアムやスーパーマーケットやコンビニエンスストア、専門店等を管理するリライアンス・リテールなどが代表的な子会社として挙げられます。
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レポート提供:株式会社インド・ビジネス・センター
株式会社インド・ビジネス・センター
インドに進出する日本企業の経営コンサルティング、各種ビジネスサポートを行う。また、インドに関する豊富な知識と経験をもとに、各種情報提供やインド専門のポータルサイト「インドチャネル」を開設、運営を行っている。

