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「ソニー銀行―道具としての銀行」
ダイヤモンド社
昨年12月に発売された「ソニー銀行―道具としての銀行」。
その著者である末永徹氏をお招きし、金融や資産運用という話題にとどまらず、著書の背景にあるご自身の世界観やフィロソフィーなど普段あまりお聞きできないお話もまじえて語っていただきました。
(以下、敬称略)
集めた預金をどう使うのか?
- 石井
- (本を書いた)ご感想を聞きたいですね。
- 末永
- もともと考えていたことが石井社長とお話して共鳴するところがありましたので、それをまとめるいい機会になりました。それから、最近の金融や銀行に関してきちっとフォローしていなかったので、その勉強にもなりました。特に、銀行業に新規参入が全くなかったこと、ひとくくりにされがちな新規参入のインターネット銀行がそれぞれ際立った個性を持っていることは、あんまりはっきり意識していませんでしたね。
- 石井
- 末永さんのいろんなテーマの応用問題ですかね。末永さんの本に共通するテーマは「個人主義」ですよね。
- 末永
- それが、御社の企業理念と共鳴するところでしょうか。確実に世の中がそういう方向に動いて変わっていて、だからこそ、御社は順調に成長にしている。
- 石井
- プロの眼から見て、ソニー銀行に対する注文はありますか。
- 末永
- ちょっと辛いところは(笑)、個人の資産管理をうたっているけれども、実際商品として提供できるのは主には預金ですよね。プラスアルファで外貨預金と投資信託もありますよという感じで、資産管理の「知恵」を提供するというところを強調せざるを得ない。ことに、「預金を集めてその預金をどう使うのか」というところで、個人のためといいながら、現況ではもっぱら国債を買うしかない。理想論では、個人から集めたお金で個人が起業するのを助けるようになれば、まさしく個人のための銀行といえるのでしょうけれども、そうやすやすと起業の立ち上げに投資するわけにはいかない。個人のための銀行という理念をどう現実化していくのか、模索されているのではないか・・・その辺、むしろ、ご意見をおうかがいしたいところです。
- 石井
- 二つのレベルがあると思います。一つはマクロのレベルで「日本の資金還流をどうしていくのか」という問題。やはり個人、家計から企業へ流れるという大きな流れがあって、それを間接金融でどう手助けすることができるのかっていうことだと思います。今、私たちは有価証券投資をやっていますが、直接金融を変容させているようなものですよね。それが一つできるだろうと。ミクロのレベルで言えば、銀行としてはプロジェクト・ファイナンスをきちんとできるというのが重要な能力だと思うんです。つまり、キャッシュフローを評価して貸していけるっていうのがね。当然個人の収入をあてにしたものをやっていますけれども、将来的には個人のキャッシュフローの予想を評価してお金を貸していく、ということをやっていきたいと思います。そうなると今、カードローン、住宅ローン、目的別ローンをやっていますけれども、それ以外の形があると思うんですよね。リスクマネーは間接金融で扱うのはちょっと難しいところもあります。ファンドみたいな形を通じて行うというのはあると思いますね。運用の品揃えについて言えば末永さんのおっしゃるとおりで、完全に揃っているわけではありません。金融自由化と併せてそこは揃えていかないといけない。でも、為替の売りから入るというのすら抵抗がありますからね。自由度ってどこまで広げると納得していただけるのか、ちょっと分からないんですけれどね。
- 末永
- でも、ソニー銀行で外貨をやっているかたは、短期のトレーディング益を求める方が多いでしょうから、やっぱりドルのショート(売り)あるいはユーロのショートはやりたいでしょう(笑)。そのまま海外でドルを引き出せるとか、ドル建てのクレジットカードが持てるとか、買ったドルの使い道が広がっていけば、また違うんでしょうけど。

- 石井
- そこは次の手としてやろうと思っています。
- 末永
- 一般のかたが、外貨というものを、海外旅行に行くとき以外で、資産として意識するようになったのはせいぜいここ数年のことですよね。そういう意味では外貨預金はまだファーストステージで、これからは、使い勝手のいいサービスをどんどん提供するところだけが残っていくのかなと思います。
- 社長対談 末永徹氏×石井茂(1)
- 社長対談 末永徹氏×石井茂(2)
- 社長対談 末永徹氏×石井茂(3)
- 社長対談 末永徹氏×石井茂(4)
- 社長対談 末永徹氏×石井茂(5)
- 社長対談 末永徹氏×石井茂(6)

