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2006年1月4日「新年を迎えて」初心忘るべからず
新年明けましておめでとうございます。
年末から各地で大雪が伝えられています。しかも12月は、鹿児島でも88年ぶりに最高の積雪量を記録するなど、日本列島で積雪を免れているのは沖縄と東京周辺だけという有様でした。ここ数年、世界的に見ても異常気象だといわれています。個人的な印象としても、最近の日本の気象状況は安定性を欠いているように感じられます。もっとも、氷河期もあったわけですし、もっと長い期間をとってみればちっとも異常ではないのかもしれませんが。
ところで、新年を迎えると、どこか身の引き締まる感じがします。そのような気持ちになるせいでしょうか、「初心忘るべからず」という世阿弥の言葉が思い出されます。世阿弥は天才観阿弥の子として、その教えを『風姿花伝』にまとめました。後世に生まれた私たちは、幸いなことに世阿弥が自分自身の経験によってそれを深化させていき、理論を発展させていったことを知っています。それらはいずれも一流の芸術論ですが、一流の一流たる所以は、物事の本質を衝いていることだと思います。そのために、世阿弥の意図とは関わりなく、ほかの分野にも示唆するところが多いのだと思います。
世阿弥は、中年期に執筆した『花鏡』のなかで、自分の流派の金言として「初心忘るべからず」を挙げています。さらに、これには3つの口伝があるとして、「是非」の初心、「時々」の初心、「老後」の初心を忘れてはならないと述べています。それぞれ、修行を始めたころの初心でその後の規準となるもの、それぞれの時期で持っている初心、老年期での初心ということのようです。世阿弥は常に未熟な自分を意識し、自分の現在の位置を客観的に見ていく必要を説いていたように思います。また、芸の進歩は連続的に進むのではなく、あるところで非連続的に段階が変わるとみていたのではないでしょうか。
企業の成長も同じことだと思います。ソニーバンクも黒字化ということで一つの段階に到達しました。次の段階は単なる延長線上にあるのではないと思っています。個人のための銀行という当初からの規準は変わりません。それとともに、決済や借り入れといった面での不足を自覚し、これを補ってより銀行としての利便性を高めて、多くのお客さまのニーズに応えていく方向で、次の段階の金融サービスを展開していきたいと思います。
今年も一年、よろしくお願いいたします。
ソニー銀行株式会社
代表取締役社長![]()

